なぜ会社を辞めれないのか?
なぜ人は辞めたい会社を辞めれないのか?
人によって様々な理由が考えられるが、大きく分けると以下のように考えることができる。
①金銭的な問題
②人間関係的な問題
③能力的な問題
①金銭的な問題
おそらくこれが最も多いだろう。
会社を辞めた場合、生活を律することができないという不安。
十分な蓄えがあるわけでもなく、明日の生活にも困窮の心配がのしかかる。
このような状態では辞めたくとも辞めるわけにはいかないだろう。
人間は意識的無意識的問わず、生命の維持に向けて最大限の労力を注ぐ。
十分な金銭を稼ぐ力が乏しく、明日の生活も心配するようであれば、
会社を辞めサラリーを供給されない恐怖から逃れることはできない。
そもそもその状態では会社に飼われているといった存在でしかなく、
その意味においては自立などしていないだろう。
また、会社からサラリーをもらっているという意識では自分で金の流れを把握することもできず、稼いでいるというよりおこぼれをもらっている状態である。
おこぼれをもらっている人間は一生飼い主の意向に逆らえない。
飼い犬は解放されても自ら檻に収容されていく。
ではこの問題を解決する方法はなにか。
それはただ一つ。会社に頼らず、会社とは無関係に金銭を得る経験をすることである。
初めは小さな対価でもいいだろう。
大事なのは会社とは関係ない個人としてのフィーを得るということにある。
稼ぐという行為は遠投のようなものかもしれない。
初めは数メートルしか投げれなくとも、慣れてくれば何十メートルと飛ばすことに
労力を割く必要は無くなる。
思考の自動化が行われ、自らの労働力を効率よく使うことができる。
ひとによっては「やりたいこと」があるかもしれない。
ただこの場合の金銭を得る経験は「やりたいこと」とは無関係のほうがいいだろう。
なぜなら「やりたいこと」をやることが目的ではないからだ。
金銭を得る経験が目的であるので、その手段においてノイズを増やしてはならない。
「やりたいこと」は金銭を蓄えてから集中しても遅くはないだろう。
そのこと自体、金銭を得ることで変わるかもしれないのだから。
変わらなかった時は本当にやりたいことを十分にやればいい。
②人間関係的な問題
これは③にも通づることであるが、人間関係的な事情で辞めることを言い出せない、もしくは辞めれない、辞めるという行為ができないといった問題である。
人間関係は人間の大部分が気にする重要な要素である。
人間関係は良好であっても不良であっても、それに伴う様々なストレスや問題が生じる。
例えば人間関係が良好な職場では辞めるといったことをなんとなく言い出しにくい雰囲気があったりする。
私は現在これに近い。
人間関係が悪くて辞める、辞めたいといった辞める側の理由に人間関係の不遇は多い。
けれども逆に辞める理由が明確にある場合は、人間関係が不遇であるほうが辞めやすいのではないだろうか。
人間関係が良好であればあるほど、言い出しにくい。
「なんで辞めるの?」といった声がどこからか聞こえてくるような、そんな不安に駆られる。
あるいは「周囲がいい人すぎて、辞めるなんて言い出すのが申し訳ない」といった思考に陥るとこの状態になるだろう。
③能力的な問題
これは単純に能力がないから辞めれない。
辞めるという行為ですらある程度の能力が必要である。
まずは辞めるという決断をする決断力。
優柔不断な人間、自己否定的な人間はなかなか踏ん切りがつかない。
踏ん切りがついてもなかなか実行ができない。
つまり行動力がない。
決断力と行動力、このどちらのバランスを欠いても辞めることは難しいだろう。
そもそもそんなことを考える前に辞める人は辞めている。
辞めるという決断の前に辞めるという行為があり、それが行動力である。
だから、多くは辞めたいと心の中では思っていても何年も会社にしがみつき、
タイミングを逃すのである。
しかし、そういうタイミングを窺う人に限って、行動を起こすと後悔するのである。
タイミングを見誤ったと。
そもそも良いタイミングなんてないのだ。
辞めたいと思ったとき、辞めた時。
それが最良のタイミングであり、それ以外の選択肢はあらかじめ存在しない。
人生には二度はない。
人生は時間の連続性の中に存在する。
時間に区切りなどは存在しない。
どのタイミングであっても、選択した結果である。
選択しない人生は、生きているとは言えないだろう。
ありふれた言葉であるが生かされている人生である。
生かされる人生に意味がないとは言わない。
どちらを選択するか、あるいは選択しないことも選択の結果だ。
人間は時間の連続性の中で選択の連続をし、日々を生きている。
だからこそ、選択を拒んでならないし、選択は常に目の前に訪れる。
訪れた選択に対して何が最良かなんて、選択しなければわからない。
だからこそ、信じられる選択をすべきなのだ。
自分の、唯一無二の二度と訪れない、人生なのだから。